緩和治療 (術中写真が出ます)
9月18日(日)
*****セミナーのお知らせ*********
パピー教室:9月24日(土)
デンタル教室:9月23日(金祝)
シニアセミナー:9月27日(火)
*****本院からのお知らせ*********
5月から夜間診療を開始しました。
平日20:00~24:00で実施しています。
ご来院前に必ずお電話いただき、救急の方のみご利用ください。
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こんにちは。OIKE院長太陽です。
先日子宮蓄膿症の手術をしましたが、久々に大きな蓄膿子宮でした。注意喚起も含め載せておきます。
普通は鉛筆ほどの子宮が今にも破裂しそうなほど拡張していました。ぎりぎりのタイミングで一命を取り留めましたが、危なかったです。
ふとプレッツェルみたいだなと思ったり。
20キロ弱の大きな子でしたが、初めて会うのでお互い探り合いながら頭なでなで。
預かり際の飼い主様との会話。
『噛んだりする子ですか?』
『いえいえ、全然噛んだりしない、おとなしい子です』
『よかったです^^』
『でも前科があってお婆ちゃんの指を噛みちぎったことがあります』
『めちゃめちゃ噛みますやん!!』
というほっこりエピソードでした笑
入院中は男の私にだけ歯を剥いて唸っていましたとさ。
さて、OIKEも開院1周年を迎え患者様も増えてきております。
より多くの命を救うため分院を増やす選択を取りましたが、よかったと思います。
しかし早く出会えていれば助けられた命をみる機会も多々あります。今日は特にがん治療における緩和治療の考え方についてお話しします。
他院で様子を見ましょうと数年経過観察していたが腫瘤自壊。もはや高齢で手がつけられないと言われたと来院されました。
乳腺部に発生した巨大腫瘤が自壊し内部が壊死しています。
診断は付いていませんが乳癌が非常に疑わしいです。細胞診検査でも悪性度が高そうな細胞が散見されます。
さてここからが本題。
がん治療に置いて治療は大きく分けて2つ。
根治治療と緩和治療です。
根治治療とは文字通り、根治を目指した治療であり、根治しうるのであれば多少のQOL(生活の質)の低下も許容されます。
一方、緩和治療とは根治が望めない場合、もしくは希望されない場合に、QOLの向上を目的に行われる治療です。目的は根治ではなくQOLの向上であるため、治療によるQOLの低下は許容されません。
この見極めが極めて重要であり、今受けている治療が根治治療なのか緩和治療なのかを理解することも非常に重要なことです。
結論この子は根治ステージではありませんでした。すでに遠隔転移を疑う状況であったからです。
緑矢印は胸骨リンパ節の腫大を疑うものです。胸の中のリンパ節まで転移をしている可能性が非常に高いです。
患部も筋肉へ浸潤増殖しており、非根治ステージであると判断しました。
(この根治ステージか非根治ステージかを見極める際にCTは非常に強力な武器になりますが、今回は費用のこともあり未実施です)
残念ながら非根治ステージであるため、ここからは緩和治療を行なっていくことになります。
そもそも今回の主訴は臭いがきつく、本人も患部を気にしており、痛そうに歩いているというものでした。
このQOLの低下を緩和してあげることが今後の治療の最上の目的となります。幸い手術で取り除いてあげることはできそうです。
術中の写真になります。下に見えている黒い豆状の組織は副腋窩リンパ節です。通常よりも明らかに腫大しており、黒い色調も異常な初見です。これも転移を疑うものです。やはり非根治ステージです。
無事取り切り手術終了。
傷は痛々しいですが、本人は術後の方が元気になったくらいです。
元気に退院してくれました。
もちろんこれでがんが根治したわけではなく、この手術で寿命が直接的に伸びる訳ではありません。ただし緩和治療としてQOLを大幅に向上させたことは間違いないでしょう。
ちなみに、この子は12歳で術前検査では心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)が見つかりました。もちろん健康な子と比べると麻酔のリスクは大きくなりますが、適切な準備と麻酔を用いれば安全に手術を実施できます。高齢だから、持病があるからといって手術を諦める必要はありません。
もう少し早くに出会っていればと正直悔しい思いはありますが、ご家族と穏やかな余生を過ごせるよう、全力でサポートしていきたいです。
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO・OIKE・ARASHIYAMA
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師