眼窩下膿瘍(がんかかのうよう)
3月6日(月)
当院では歯の手術が多く
歯周病から破折修復など様々な口腔処置を行っています
その中でもやっぱり多いのが歯周病
特に小型犬で多く
よく使う奥歯(機能歯ともいいます)が侵されやすいです
歯周病はもともと細菌の固まりである
歯垢や歯石が歯肉ポケットに沈着し
細菌によってどんどんと歯の根元の方が侵されていく病気です
症状としては口臭、口の痛みがあります
「舐められるととても臭い」
「固いものを食べなくなった、食べづらそう」
こういったサインは要注意です
それでも放っておくとどうなるか?
細菌は奥へ奥へと侵入し
そこには膿がたまります
前歯が侵されてしまった場合は
鼻水や鼻血が出ることもあります
奥歯の場合は下の写真のように
目の下の部分が腫れることが多いです
奥歯の根元というのは、すぐ目の下にあるので
そこに細菌の膿が溜まるとこのように腫れてしまうんですね
さらに放っておくと・・・
想像通り行き場をなくした膨らみははじけます
そうすると膿が目の下から出てきてしまいます
これを「眼窩下膿瘍 がんかかのうよう」といいます
先日来院されたワンちゃん
目の下に何かあるのか、毛と膿が絡まってとても痛そうにしている
ということで来院されました
来院時は毛と膿がひっついて目が開けられない状況でした
それを恐る恐る毛刈り・洗浄処置をしていくと・・・
左目の下の穴から膿が出てきていました
少し痛そうですが、さらに見てみると
パックリと皮膚が裂けてしまいっています
この子は高齢のワンちゃんですが
やはり今まで歯磨きや歯石除去はできたことがないとのこと
奥歯も侵されていました
今回は排膿処置・傷口洗浄と抗生剤による内科治療をおこないますが
また今後再発してしまうでしょう
根治としては根元が腐ってしまっている歯を抜歯する必要があります
しかし今回は高齢のため麻酔処置に踏み切れないとのことでした
このようにたかが歯の病気と思っていてもここまで酷くなってしまいます
手遅れになる前に一度歯石除去をしておきませんか?
お口が臭うワンちゃんは一度検討してみてください
では今日はこの辺で・・・・
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