病気のお勉強シリーズ 〜猫の肥大型心筋症〜
1月10日(日)
あっという間に新年が明けましたね
私が右京動物病院に勤めるようになってもう半年がたとうとしています
いろいろご迷惑かけてしまっていることも多々あると思いますが、
少しでもみなさまのお役に立てるように頑張っていきますので
どうぞ宜しくお願い致します
さて、今回は病気のお勉強シリーズとして、あまり耳にしたことはないかもしれませんが、
『猫の肥大型心筋症』についてお話しようと思います。
心臓の病気は人と同様ワンちゃんネコちゃんにもあります。
その中でもネコちゃんの肥大型心筋症という病気は最近になってよくみられるように
なってきました。というのも、昔に比べて検査の精度が上がってきた為だったり、
ネコちゃんを病院に連れて来られる方が増えてきた為でもあるかもしれません。
この病気は心臓の筋肉が肥厚して心臓の動きが悪くなってしまうもので、
遺伝的な異常により発生し、メイン・クーン、ラグドール、スコティッシュ・フォールド、
アメリカン・ショートヘアーなどのネコちゃんで多く認められます。
無症状で経過することも多く、定期検診や術前検査で偶然発見されることがあるので、
来院された時にはかなり進行した段階である場合が多いです。
来院時の主な症状としては呼吸困難、元気消失、食欲低下、跛行、虚脱、低体温などです。
心臓の動きが悪いためにスムーズに全身に血液が送れず、肺に水が溜まってしまう肺水腫や
血栓が血管につまってしまう動脈血栓塞栓症に陥る場合もあります。
⇒肺水腫が認められます。
これらは緊急を要する状態なので迅速に対応しなければなりません。
なんとか一命をとりとめたとしても、再発の可能性があり予後は良くないことが多いです。
このような病態にまで進行するのを防ぐためにも早期発見、早期治療が重要です。
ネコちゃんはワンちゃんに比べて緊張しやすいので、健康な子でも病院に来るだけで
心拍数が高くなり、聴診してもその異常に気付けないことも少なくありません。
診断するためには心臓の超音波検査やレントゲン検査が必要になります。特に症状が無ければ実施されない検査なので、定期的に一通りの健康診断ができる
ペットドックなどで早期発見に努める必要があります。
当院でも現在、肥大型心筋症で頑張ってくれているネコちゃんがいます。その子は肺水腫と
動脈血栓塞栓症の両方を併発しましたが、なんとか一命をとりとめてくれました。
しかし、一度血栓が詰まってしまった前足には血流が行かず壊死してしまい、
結局断脚を実施することになりました。
術後はすっかり痛みもなくなり、ご機嫌を取り戻して元気にしてくれています。
たくさんあるお薬もとても上手に飲んでくれて、日々治療に励んでくれています
おうちにネコちゃんがいる方で、ちょっと気になる!って方はなんでもご相談ください
それでは今日はこの辺で・・・
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