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お迎え前にできること

予防について診察

9月11日(火)

゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
詳しくはホームページの獣医師出勤表をご確認下さい。 
平野:9月22日(土)午後
百石:9月15日(土)午後、29日(土)午後 
三浦:9月16日(日)
國廣:9月16日(日)

こんばんは。獣医師の三浦です。

今年は台風に地震にと、災害が多いですね。
私の祖父母は北海道にいるのですが、9月6日はまさに家族が北海道へ帰省する日でした。
もう少し、地震の時間がズレていたら巻き込まれていたかもしれません😱💦
親戚は被災しましたが、幸い大きな被害ではなく元気にしているようです。
毎回スレスレのところで無事でいられることに感謝します。
そして被災された地域の1日でも早い復興を願います。

さて、本日は災害のような病気…でも、災害で終わらせたくない病気についてお話します。
それは、「猫伝染性腹膜炎」。

猫を飼われている方は耳にしたことがあるでしょうか?

別名でFIP(Feline infectious peritonitis)とも言います。

FIPの原因となるのは、猫コロナウイルスというウイルスの感染です。
このウイルスには、病原性の低い猫腸コロナウイルス(FECV)と
病原性の高い猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)があります。
一般的に考えられている説では、環境中に存在するのはFECVであり、
猫の体内においてFECVがFIPVに変異することで発症するとされています。

一方で、FECVとFIPVの両方が環境中に存在し、病原性の高いウイルスに感染した時のみ
猫伝染性腹膜炎を発症するという説もあります。
このどちらが正解なのかは、いまだに分かっていません。

発症した場合、身体の中で異常な免疫応答を起こしてしまい、
血管炎や肉芽腫性病変が生じます。
症状は大きく滲出型(wet type)と非滲出型(dry type)に分けられ、
滲出型では腹水や胸水が貯まるのが特徴です。

先日来られた3ヶ月齢の子猫さんも、滲出型のFIPを発症しました。


レントゲン画像です。
お腹の部分が膨れ、真っ白になっています。
エコーで確認したところ、腹水が溜まっていました。

残念ながら、この病気は今のところ有効な治療法がありません。
ステロイドや利尿剤で一時的に改善することもありますが、
1際以下で急激に症状が進んだ場合、効果がないことがほとんどです。
この猫さんもお腹が膨らんで数日後には横たわった状態になり、治療を終了しました。

発症すると、止めることのできないFIP。
国内の猫では、純血種で66%、雑種で31%ほどが猫コロナウイルスを保有しているそうです。
ウイルスは感染猫の排泄物から感染するので、
多頭飼いの場合は感染する可能性が非常に高くなります。
私がこれまで出会ったFIP発症猫は、すべて純血種で
ブリーダーやペットショップからお迎えしたばかりの子たちでした。
野良の猫さんよりも、集団飼育の方が感染リスクが高いのでしょう。

これから多頭飼いを考えられている方は、ぜひ、ウイルス検査をしてください。
先住猫と新しく迎える猫、どちらかが陽性であれば、必ず感染すると考えていた方が良いです。
感染したからといって発症するとは限りませんが、知っておくことが大切です。
FECVから病原性の高いFIPVへの変異のきっかけは、ストレスとも言われています。
猫さんの性格によっては多頭飼いが相当なストレスになりますので、慎重に行うようにしてください。

我が家も2頭目を迎える時、ウイルス検査を行いました。
結果は幸いにも陰性。
陽性であれば、先住猫のいない家へ里子に出すことを考えていました。

ウイルス検査の結果によって、予防できる病気もあります。
猫エイズウイルスと、猫白血病ウイルスです。
これらのウイルス病には、ワクチンがありますので、
陽性の猫がいた場合、陰性の猫にはワクチン接種が勧められます。

猫コロナウイルスに対しても有効なワクチンが開発され、
早く新しい治療法が見つかることを心より願っています。

 

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R. MIURA@U-KYO-Animal Hospital

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