腹腔内出血の原因は?
こんばんは、院長です。
だいぶ涼しくなり、秋を感じるようになりました。
夏は夏で暑いため好きではないのですが、
こうやっていざ夏が終わってしまうとそれはそれで寂しく感じてしまうものです。
秋は食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋などいろいろ言われますが、
私は食欲は程々にして、趣味のスポーツのテニスを今年は頑張ろうと思っています。
10月末には全日本獣医師テニス大会というものもあるので、それに向けて睡眠時間を削って夜中に練習しています。
さて今日のお話は「腹腔内出血」の症例です。
腹腔内出血とはその名の通り、お腹の中で出血が起こる状態です。
原因は様々で、犬猫では外傷・事故・腫瘍などが多いです。
今回は脾臓という臓器の腫瘍が大きくなりすぎて破裂してしまい出血したワンちゃんです。
別の病院さんで治療されていましたが、手術するしか道が残されなくなったため当院を受診されました。
エコー検査ではお腹の中に黒く映る液体が溜まっています。
採取して検査したところ、やはり末梢血と同じ濃さの血液で腹腔内出血で間違いありません。
脾臓にはソフトボール大の大きさの腫瘍ができています。
体重10キロにも満たないワンちゃんでは、かなり大き目の腫瘍です。
一度は内科療法で出血も治ったらしいですが、すぐに再出血を繰り返しどんどん貧血は進んでいる状況でした。
そのため当院で緊急的に輸血を実施し、休みの日ではありましたが緊急手術となりました。
術中写真ですが、少し怖い写真ですのでモザイクをかけています。
助手の先生の手よりも大きな腫瘍が確認されています。
周囲の組織とも癒着が激しいため、丁寧に剥離を進めて摘出しました。
麻酔からも無事に目を冷ましてくれて、ほっと一安心です。
術後は今までぐったりしていたのが嘘のように、もりもりとご飯を食べてくれました。
そして無事に抜糸も完了。
あとは腫瘍が良性か悪性か病理検査を待つ状況ですが、これでしばらくは幸せに過ごせそうです。
このように脾臓という臓器は血腫や腫瘍が非常にできやすく、また大型化しやすく破裂することがしばしばあります。
破裂してしまった場合は緊急手術に移行するケースが多いですが、ケースバイケースで考えなければいけません。
そういう意味でも初期の小さい段階で見つけられれば、このようにワンちゃんに大きな負担をかけずに済みます。
脾臓や肝臓のできものはエコー検査などで簡単にチェックできるため、是非とも年に一回は受けさせてあげてください。
エコー検査を希望される方は、獣医師に診察の際についでにお願いされてもいいですし、または電話などで予約をとってもらっても構いません。
健康寿命を伸ばせるように、早期発見・早期治療を心がけていきましょう。
院長
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