胆嚢の病気、多いです。
こんばんは、院長です。
昨晩のブログ当番が私でしたが、完全に失念してしまっていましたのでアップが遅くなりました。
昨日は大阪での心臓外科手術のあと、大阪府立大学の獣医師学生と交流会があり、臨床獣医師の働き方や遣り甲斐について熱く語って来ました。
少しでも臨床現場での仕事に興味を持った暑い熱い獣医師が生まれれば嬉しいです。
若い子たちと話して、エネルギーをいただきました。
そして先日には進行性脊髄軟化症の治療で遠路はるばる東京から治療に来られたダックスフンドの飼い主様が、
関西に来る用事があったからと、当院にも顔を出してくださいました。
本人はとても元気で過ごしているとの報告を受け一安心です。
また可愛らしい手作りプレゼントもいただきました。
こういうものはとても嬉しいですよね、早速待合に飾らせてもらっています。
これからも元気に長生きしてくださいね。
さて、今日のお話は胆嚢炎についてです。
胆嚢に泥が溜まって、ウルソというお薬を処方されている患者さんも多いと思います。
意外とわんちゃんは胆嚢の病気が多いです。
胆嚢に泥がたまる「胆泥症」
石ができてしまう「胆石症」
胆嚢内容物がゼリー状に固まる「胆嚢粘液嚢腫」
炎症が生じる「胆嚢炎」
胆泥症であればまだそれほど怖くはないんですが、残りの疾患は非常に危険です。
胆管閉塞を生じると、黄疸をしめすようになり、強い腹痛や消化器症状がでてきます。
腹膜炎やDICも併発する非常に怖い疾患です。
ですので胆泥症の方は泥がたまっている状態から進行しないように、しっかりと毎日の内服を忘れないようにしてあげて欲しいです。
今回は胆嚢炎と診断されたMIXの女の子の症例です。
内科治療でなんとか頑張っていたんですが、黄疸が進行しぐったりした状態で来院されました。
内科治療の限界を考え、飼い主様と相談した結果、胆嚢摘出術を実施することになりました。
体重も非常に小さい子ですので、ルーペをつけて細かな手術に臨みます。
肝機能も低下しているため、手術も迅速に行うように意識してスタートです。
しかし開腹すると、胆嚢はすぐに見当たらず。
横隔膜、肝臓、腸と重度に癒着している状況でした。
おそらく何度も炎症を起こすうちに癒着が起こったのか、過去に胆嚢が破裂したことがあるのかもしれません。
注意深く他の臓器を傷つけないようにしながら、胆嚢を剥離していきます。
胆嚢は癒着でぐちゃぐちゃの状態でしたが、何とか摘出完了です。
そのあと無事に麻酔からも覚醒してくれて、数日の内科治療ののち・・・
現在では黄疸もなくなり、自分からしっかりとご飯を食べてくれるようになりました。
危機的状況から何とか離脱できました。
このように胆嚢疾患はワンちゃんでの発生が非常に多く、また進行すると非常に危険な状態にもなり得ます。
胆嚢に泥が溜まっていると言われた子は、しっかりとお薬を飲ませてあげて、定期的にエコー検査を受けてください。
胆嚢の手術は進行してからでは非常にリスクも高くなるため、どうしても内科治療で限界がある場合には手術を実施したほうがいいでしょう。
手術に関するセカンドオピニオンも受け付けていますので、有事の際はお気軽にご相談ください。
ちなみに明日からは3日間、大阪で外科勉強会に出席です。
皆様に還元できるよう、頑張って来ます。
院長
それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定