犬猫の寄生虫学①
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5月14日(土)午後
5月21日(土)午前
5月24日(火)終日 ・・・は学会出席の為、院長が不在となります。
病院は通常通り診察しておりますので、宜しくお願い致します。
皆さんは回虫という寄生虫を聞いたことはありますか?
回虫は線虫類に属する寄生虫で、成虫になると写真のようなミミズ様の外観をしています。
回虫は犬猫の小腸に寄生し、犬に寄生する犬回虫、猫に寄生する猫回虫、
そして犬猫の両方に寄生する犬小回虫があります。
成長すると小腸内で産卵するようになり、生み出された卵は
犬猫の排泄物とともに外界へと飛び出してきます。
そして、この卵を他の犬猫が誤って体内に取り込むことによって感染し
サイクルが回ります(´Д⊂)
回虫に寄生されると犬猫には下痢、嘔吐、食欲不振、腹痛、
体重減少、腹囲膨満などの症状が現れます。
稀に症状が非常に著しいことがあり、虫体の塊を吐き出したり、
糞便中に虫体が排出されることもありますノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!!
ここで回虫について抑えておきたいいくつかの特徴を挙げていきたいと思います。
1つ目は、犬回虫に寄生されている雌犬が妊娠すると、
妊娠後期に幼虫が胎盤を経由して胎子に感染してしまうということです。
これを胎盤感染と言います。
つまり、胎盤感染した子犬は生まれながらにして犬回虫に感染しているということになります。
ちなみに、猫回虫と犬小回虫ではこの胎盤感染は起こりません。
2つ目は、犬回虫は生後6ヶ月齢以下の子犬で先程述べた症状が現れるということです。
生後6ヶ月齢以上の成犬では、年齢抵抗性によって自然排虫されるため、
症状は出にくいことが多いです。
ただし、免疫力が低下している場合は成犬でも症状が出ることがあるので注意が必要です。
3つ目は、犬回虫・猫回虫は人にも寄生するということです。
これをトキソカラ症と言います。
トキソカラ症は回虫に感染した犬猫の糞便に含まれる虫卵を
人が摂取することによって起こります。
虫卵は小腸内で孵化し、幼虫が肝臓,肺,中枢神経系,眼または他の組織内を移行します。
このことによって視覚障害を始めとするさまざまな症状が出るので、
人間にとっても怖い寄生虫なんですΣ(゚д゚;)
以上が回虫の特徴ですが、回虫に寄生されているかどうかは、糞便検査によって分かります。
下の写真は犬回虫の虫卵です。これを顕微鏡を用いた糞便検査で探します。
仮に発見されれば早期に治療を行えるので、症状が重篤化する危険性も低下します。
特にお家に来たばかりの子犬・子猫さんは回虫を持っていることが多いので、
気になる方は一度病院で糞便検査を受けましょう!
それでは今日はこの辺で・・・
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