お尻のデキモノは・・・
11月18日は愛犬ジャンの5周忌でした。
5年前とのことで寂しさも薄れては来ていますが、
節目ごとではしっかりと思い出して、声をかけてあげることにしています。
またジャンに献花をくださった方もいらっしゃいました。
本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございます。
さて今日はお尻周りのデキモノのお話です。
肛門周りのデキモノを総じて肛門周囲腫瘍と言いますが、
その多くは「肛門周囲腺腫」といって良性です。
しかし2割ほどは 悪性の「肛門周囲腺癌」、「肛門嚢アポクリン腺癌」でもあり注意が必要です。
今回は13歳のチワワの男の子にできた肛門周囲腫瘍は以前から存在していたものの
急に拡大傾向を示し、出血も見られるようになりました。
良性の場合であれば、去勢手術をしてやると退縮することもあるので
一旦去勢手術をしてからしばらくデキモノの経過を観察するかという話もあったのですが、
今回は悪性だった場合を考慮して、去勢と同時にデキモノも摘出しようということになりました。
摘出臓器を病理検査に提出しないと、そもそも術前に悪性・良性の判断ができないためです。
といっても一度去勢をして経過を見るのも一つですので、この辺は主治医とよく相談されるのがいいでしょう。
これが手術前の写真ですが、赤丸で囲った部位2カ所にデキモノがあるのがわかります。
これを切除していきますが、できる限り肛門周りの筋肉は温存できるように摘出していきます。
そうでないと術後に排便障害などが出るためです。
しかし腫瘍細胞を取り残してしまってはいけませんから、そのあたりは思い切りの良さも必要です。
そして肛門周りは粘膜や筋肉が多く、非常に手術中に出血しやすいのが問題です。
しかし今回は半導体レーザーを使用して切除しているため、出血が非常に少なくなっています。
出血量を少なく手術をできるのがレーザーの素晴らしいところですね。
それだけ手術時間も麻酔時間も、動物の負担も少なくなります。
そしてデキモノを無事に摘出終了です。
そのあとは傷口を丁寧に縫合していきます。
排便障害が出ないように気をつけて皮膚の形成も行います。
これで無事に手術終了です。
あとは病理検査の結果を祈るだけ・・・
結果は「肛門周囲腺腫」ということで一番安心できる結果でした。
マージンも良好、腫瘍細胞がしっかり取り切れているとのことで問題なしでした。
このように去勢手術をしていないワンちゃんは高齢になると、
肛門周囲腺腫や前立腺肥大、会陰ヘルニアといった様々な疾患が生じてきます。
高齢になってからの麻酔は若い時と比べてリスクも高くなります。
子供を産ませないと決めているのであれば、避妊・去勢は早めにしてあげたほうがいいでしょうね。
愛犬ジャンも子供を産んでからは早めに去勢手術をしたおかげで、
男性ホルモン由来の病気にはかかることなく生涯を全うできました。
去勢が何となくかわいそうだな、と考えられている方も手術を検討していただければと思います。
当院では腹腔鏡やソノサージを用いて手術を行えますので、身体への負担はすくないですので。
それでは明日は夜間診療がありますので早めにこんばんは寝ることにします。
寒くなってきていますが、皆さんも身体をご自愛ください。
飼い主が倒れてしまうと動物たちはもっと困りますしね。
院長
それでは今日はこの辺で・・・・
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