猫の上腕骨粉砕骨折(プレートロッド法)
4月23日(日)
゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
平野:5月4日(木)〜7日(日)
学会・勉強会等参加のため、上記の通り獣医師不在の日がございます。
診療は通常通りおこなっておりますので、どうぞご了承ください。
だいぶ暖かい季節になりましたね。
桜も散ってしまい少し寂しい気もしますが、
私的にはスギ花粉がどんどん少なくなっているのが嬉しい今日この頃です。
今回は猫ちゃんの骨折の症例紹介です。
ある昼下がりに他院さんより紹介のお電話がありました。
「上腕骨骨折の治療をお願いします。開放骨折の危険性もあります。」
すぐに来院を指示してきてもらいました。
どうも飼い主さんから話を聞いてみると冷蔵庫の上から誤って落ちてしまったようです。
打ち所が悪かったのか、レントゲンを撮影してみると上腕骨が折れてしまっていました。
よく見てみると、骨片と呼ばれる骨のかけらがいくつかあります。
骨折しているのは一箇所だけではなく、粉砕骨折のようです。
しかも骨折している先端が尖っているため、皮膚を突き破りそうな勢いです。
これは大変な手術なるな・・・と覚悟を決めました。
また緊急性を要しますので一旦外固定を施した後、
すぐに準備を整えて手術を実施しました。
手術前の写真ですが、腕があらぬ方向に曲がってしまっています。
かわいそうだけど、元気に歩けるようになるため頑張ろうね。
(以下手術の写真が出ますので、気になる方はご注意ください。)
全身麻酔を施して、患部を消毒。
皮膚を切開して、筋肉を分離していきます。
肘の近い部分には神経や血管も走っているため、誤って傷つけたりしないように注意が必要です。
骨折部位を確認できました。
やはりレントゲンでの読み通り、いくつかの骨片が見つかりました。
複雑骨折では通常のこて方法では支える強さが弱いために、工夫が必要です。
今回は骨の中にピンも入れて支えをつくる「プレートロッド」という方法を選択しました。
また離れてしまった骨片を寄せるためにラグスクリューというものも使用しました。
まずは肩近くの骨よりピンを挿入していきます。
これで支柱を作った後に、プレートと呼ばれる金属の板を設置します。
今回はこのプレートにもこだわりました。
ロッキングプレートと呼ばれる、より強固な固定ができるものを使用しています。
ドリルで骨に穴を開けた後に、ドライバーでネジを入れていきます。
間違った場所に穴を開けると、さらに骨が砕けてしまうので繊細な手技が必要です。
集中して注意深く作業を進めます。
そして・・・
無事に骨を整復することができました。
あとは筋肉および皮膚を縫合して手術は終了です。
術後のレントゲンでもしっかりと整復が確認できました。
これで後は安静にして、骨が癒合するのを待つだけです。
よく頑張りました。
このように猫ちゃんでも高いところから着地に失敗して骨折してしまうことは稀にあります。
今回は冷蔵庫でしたが、キャットタワーや吹き抜け・・・
家の中には危険がいっぱいです。
なかなか注意するのは難しいかもしれませんが、
少し運動神経の悪い猫ちゃんや、年をとってきた猫ちゃんの場合は注意してください。
当院ではロッキングプレートやピンを用いて様々な整形外科手術に対応しております。
今回は獣医さんからの紹介でしたが、最近はこのように同業の先生からご依頼いただくケースも増えてきています。
頼っていただけるのは本当に嬉しくてありがたいことです。
ただそれだけに責任は重大ですので、これからも技術の研鑽に励んでいきたいと思います。
これからも常にレベルアップを目指しますので、どうぞよろしくお願いします。
院長
それでは今日はこの辺で・・・・
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