脾臓腫瘍(術中写真が出ます)
5月3日(金)
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パピー教室 :5月11日(土)、17日(金)、25日(土)、31日(金)
こんにちは。太陽です。
これは分院の待合に掲示しているものです。
今年3月からのデータですが、エコー検査をして異常がない子の方が圧倒的に少ないのが現状です。
これだけ異常がエコー検査で見つかっているにも関わらず、血液検査では異常が認められないケースがほとんどです。
ぜひ健康診断には腹部エコー検査を追加してあげてください。麻酔の必要もなく5分で終わる検査です。シニア期であれば年2回の腹部エコー検査をお勧めします。
今回はエコー検査でも良く見られる脾臓の腫瘤について簡単にお話しします。
脾臓に発生する病気で一番厄介なものは癌です。ブログでもよく登場する脾臓破裂による腹腔内出血の原因は癌によるものが多いです。
これらは腫瘍により破裂した脾臓です。ボコボコしていていかにも悪そうですよね。
しかし実は脾臓にできる腫瘤のおおよそ半分しか悪性のものはありません。破裂しているにも関わらず摘出してみると良性であることは珍しくないのです。
以前は脾臓にできる腫瘤の3分の2が悪性腫瘍で、その悪性腫瘍の3分の2が血管肉腫(脾臓にできる癌の中でも予後がかなり悪いもの)と言われていました。しかしこれはアメリカのデータであり、小型犬が多い日本では統計が変わってくることが明らかになっています。
日本では脾臓にできる腫瘤の2分の1が悪性腫瘍で、その悪性腫瘍の2分の1が血管肉腫とされています。
かなりイメージが良くなりますよね。
早期にエコー検査で発見できれば破裂する前に脾臓を摘出し根治が狙えます。(脾臓は無くなっても元気に過ごすことができます)
またCT撮影を行う事である程度の診断ができる場合も多く、転移チェックなどのステージングを行うことができます。
これは脾臓原発の組織球肉腫が疑われた子のCT画像です。血管肉腫と組織球肉腫は造影剤の写り方が異なっています。もちろん組織生検をしないと確定診断はできませんが、CT検査でもおおよその予想がつきます。
先日も脾臓破裂による腹腔内出血を起こした子が来院されました。
緊急手術の末無事脾臓を摘出し出血を止めることができましたが、病理組織結果は血管肉腫でした。
この子はゴールデンレトリーバーなのですが、この犬種は血管肉腫の好発犬種です。
ゴールデンに限らず大きなワンちゃんに関しては日本の『2分の1ルール』ではなくアメリカの『3分の2ルール』の方が適しているのかもしれません。
大きなワンちゃんを飼われている方は是非腹部エコー検査を受けてください。
早期発見により癌は根治できるケースが多いです。この記事を読んでいただくことで、一頭でも多くの命が助かれば嬉しく思います。
それでは今日はこの辺で・・・
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taiyo@U-KYO-Animal Hospital
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京都市内初の腹腔鏡システム、CT検査装置導入 [腹腔鏡下避妊手術、遠隔診断]
動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
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