動脈管開存(PDA)の手術
こんばんは、院長です。
先週は急に体調をくずしてしまい、
急遽2日間に渡って臨時休診になってしまい大変申し訳ありませんでした。
朝から嘔吐と頭痛で起き上がることができなかったのですが、
インフルエンザや風邪、新型コロナではなく、過労のようです。
流石に二月も休みなく働き続けていたため、限界がきてしまったようです。
今後はもう若くもない自分の身体も少し大切にしながら仕事と向き合っていきたいと思います。
皆様にはご心配おかけし、失礼いたしました。
とはいえ、病気はいつ何時やって来るかわかりませんので、今日も昨日も手術の日々が続いています。
今回ご紹介する患者さんは、生まれつきの心臓病を患ったチワワさんです。
その病気の名前は「動脈管開存(PDA)」といいます。
通常、生まれる過程でなくなっていく動脈管という大動脈と肺動脈を繋ぐ血管が生まれた後も残ったままになってしまい、
大動脈から肺動脈に血液が流入することで心臓に負荷をかけてしまう病気です。
手術前のエコー写真で、難しい写真にはなります。
肺動脈という血管に血液が流入するために黄色い色をしたモザイク血流が見られます。
通常では見られない状態です。
本人は4ヶ月で体重1.4kgとまだまだ小さいですが、放っておけばどんどんと病態は進行してしまいます。
そのためリスクも覚悟の上で手術となりました。
もう少し体重の大きな子であればコイルを使った塞栓術なども実施できますが、
今回は極小犬のために直接動脈管を糸で縛る結紮術を実施しました。
手術中の少し怖い写真になりますが、
黒い糸がかかっているのが動脈管です。
動脈管は大動脈・肺動脈という非常に重要な血管のそばにあるため、非常に慎重な剥離が必要となります。
無事にこの写真では剥離も終了し、この後に結紮することができました。
手術後のエコー写真ですが、肺動脈に流入するモザイク血流がなくなっているのがわかります。
これで一安心です。
本人も手術直後はやはりしんどそうではありましたが、次の日から食欲も回復し3日後には元気に退院してくれました。
現在は抜糸も終了し、病気は完治です。
これで元気に長生きできるね。
今回は生まれつきの心臓病の一つである「動脈管開存」についてご説明しましたが、
その他にも「心室中隔欠損」や「心房中隔欠損」、「肺動脈狭窄」などが犬では多いです。
かかりつけ病院さんで心臓に雑音があると言われたけど、何かわからないので見て欲しいとの紹介を受けることも多々あります。
いずれも放っておくと命に関わって来るため、若くて心臓に余力のあるうちの手術が重要となってきます。
心臓疾患でお困りの方は一度ご相談いただければと思います。
今回私自身が倒れてしまって、何でもできる体力や万能さがあるわけではないことを痛感しましたが、
自分のできる限り努力して、これからも多くの命を救いたいと思います。
院長
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
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