高齢犬の手術
こんばんは、院長です。
寒さも本格的になってきて、いよいよ京都でも紅葉が見られるようになってきましたね。
コロナも少し落ち着いているので、今年は少し紅葉でもどこかで見られればいいなと思っています。
ただ最近はバタバタでなかなか時間が取れません。
自宅で夕飯を取れるのも、週1回くらいでしょうか。
師走は早いと言いますが、本当に早いもので1年もあっという間に終わってしまいますね。
ちなみに今日はボジョレーヌーボー解禁の日です。
皆さん覚えていましたか?
私は病院でこの記事を書きながら、少し嗜んでいます。
もちろん夜間看護も必要ですので、嗜む程度ですが・・・
気分のいいものです。
さて今日は高齢犬の手術のお話です。
よく飼い主さんから聞かれる質問として「10歳を超えたシニアなのに全身麻酔は大丈夫なの?』と言った内容のご質問を聞きます。
この質問に対して私はいつも「持病の有無が大事です」と答えるようにしています。
もちろん高齢の子というのは全身の代謝機能も呼吸機能も運動機能も落ちていますので、若い子と比べるとリスクがあると思います。
しかし、若い心臓病や腎臓病、肝臓病を患っている子と高齢の何も病気がない子では、後者の子の方が安心です。
年齢も一つのリスクファクターではありますが、それも含めて体全体で考えていくことが必要です。
また当院では麻酔を専門としている小沢先生もいるため、安心して麻酔処置や手術をすることが可能です。
ただし今回の症例は私も少し怖かったです。
年齢は17歳半のおばあちゃん。
発作などの既往歴もありますし、体も細い子です。
流石に17歳を超えると、年齢というものが大きなリスクになってくると思います。
ただし繰り返す胃捻転により、毎週のように救急処置が必要になる危険な状態が続いていたため、ご家族は手術を決意されました。
胃捻転の治療は胃腹壁固定術といって、胃が捻れてしまわないようにお腹のう内側に縫合していく手術を行います。
これ自体は特段難しいものでもないため、熟練した獣医師が実施すれば問題はない手術です。
しかし上記にもあるとおり今回は持病持ちの17歳の子ですので、麻酔の方がより重要になります。
当院では普通の光景ですが、このように種々の薬剤を微調整しながら麻酔をかけられるように、
たくさんの点滴の機会が同時に使えるように手術室の隣には並んでいます。
また血圧も確実のリアルタイムの数字を把握できるように、観血モニタというもので測定するようにしています。
安全に麻酔を実施するための、こだわりですね。
そんなこんなで、麻酔プロトコールを念入りに考えて、今回の手術も臨みました。
やはり手術中は血圧の低下などのプロブレムもありましたが、予想していることなので即座に薬剤を調整しながら対応することができました。
無事に胃の捩れを治して、腹壁と固定して手術を終わることができました。
もちろん超高齢の子は術後の合併症も多いため、この後も看護が重要になってきますが、一つの山場を乗り切って安堵しています。
今晩は病院に泊まっての夜通し看護となりますが、すやすや痛みもなさそうに寝ている姿は可愛いですね。
当院ではこのように高齢の子でも麻酔に拘って、できるだけ負担がなくリスクがない方法を選択するようにしています。
10歳を超えたから、もう手術はできないのでは?
そんな声も聞かれますが、一度相談してみてください。
なんとかできることが多いです。
もちろん手術や麻酔が必要のない状態で余生をゆっくり過ごせるのが一番ですが。。。
皆さんの愛犬愛猫がそんな健やかな老後を送れるようにお祈りします。
それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定