肺に影!その正体は!?
2月22日(金)
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院長:2月26日(火)
廣畑:2月27日(水)
三浦:2月24日(日)
こんにちは分院長です。
先日京都市獣医師会から一通の封筒が届きました。
狂犬病集合注射の依頼です。集合注射とは決められた日時に小学校などの会場を解放し、短時間で多くの動物に狂犬病ワクチンを接種するものです。
今回初参加となります。担当は3日間ですが、最終日は500頭ほどが接種にくる予定です。どうしても診察時間に被りそうなので、午後の診察開始時間を期間中のみ遅くするかもしれません。また日時が決定しましたらお知らせします。
ワクチン接種は獣医師に体調をチェックしてもらえる貴重な時間です。個人的には病院での接種をお勧めします。
では病気の話を少し。
えずくような咳がお薬を飲んでも治らないと来院されたKちゃん。
レントゲン検査を行うと肺に大きな影が、、
癌という言葉が脳裏に浮かびます。しかし肺腺癌などは手術で取り除くことができれば良好な予後が期待できます。(中村獅童さんは手術で見事に復活されました)
しかし手術をするにも腫瘍なのかどうか、またそのサイズ、位置、周囲の血管との位置関係など、まだまだ必要な情報があるため更なる精密検査を行います。CT検査ですね。
検査の結果、肺の中にある腫瘤には肝臓からの血管が入り込んでいました。画像の緑十字の中心にある白い線が血管です。
真ん中の画像の緑の横線の下側にある左右に広がる組織が肝臓。そこから左上に飛び出している部分が問題の腫瘤。肝臓という地平線から腫瘤が日の出のように突出しているようです。
注目すべきは肝臓内の血管が腫瘤内にまで入り込んでいること、肝臓と腫瘤が繋がって連続していること、そして肝臓と腫瘤の色味が同じ(CT値が同じと言います)ということです。
結論から言うと、癌ではなく横隔膜ヘルニアという病気でした。
腹部と胸部をしきっている横隔膜という膜に小さな穴が先天的に空いており、肝臓の一部が横隔膜を突き破り、胸部にまで侵入していたのです。
ちなみにCT撮影前の検査でKちゃんはお腹が張ってしまうクッシング症候群という病気を抱えている事が明らかになっています。おそらくクッシング症候群により腹圧が高くなり、以前にも増して肝臓が胸腔内に飛び出してしまったのでしょう。咳の原因はこの飛び出した肝臓が気管支を圧迫したことによるものかもしれません。
今回は大きな手術は避け、クッシング症候群の治療を開始し、経過観察していく事になりました。
癌ではなくて本当に良かったです。
症状がないだけでこのような先天的な問題を抱えている子は少なくないです。
CT検査を含めた健康診断、プレミアムスケーリングコースも実施しておりますので、気になる方はお気軽にお尋ねください。
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taiyo@U-KYO-Animal Hospital
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京都市内初の腹腔鏡システム、CT検査装置導入 [腹腔鏡下避妊手術、遠隔診断]
動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定