総胆管結石:胆管ステント設置( ※ 術中写真が出ます)
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OIKE院長太陽です。
今回は長いので最初の小ネタ割愛!12月31もブログ当番なのでお楽しみに!
では本題。
医学用語を用いずに説明することが困難なため、イラストを用いて説明します。
参考書引っ張ってくるの面倒くさかったので自分で描きました笑 下手ですがお許しください。。
ちなみに言語化すると、
『胆石による総胆管閉塞に対して、胆嚢切除および十二指腸乳頭切開後に総胆管順行性フラッシュにより閉塞を解除し、総胆管ステントを設置した』
というものです。
『あーね』
と納得できた方は最後まで読まれなくても大丈夫です笑
それ以外の方はお付き合いください。
胆嚢とは胆汁という消化酵素を溜め込んだ袋状の臓器です。
胆嚢周囲にある肝臓で作られた胆汁は一度胆嚢の中に蓄えられ、食事の際に総胆管を通って十二指腸へと排出されます。
今回はこの胆嚢に溜まった胆石が総胆管へ落石し、総胆管が閉塞したという状況でした。
何回もこのイラストと解剖名称を確認しながら読み進めてくださいね。
胆嚢に石があるだけであれば、胆嚢を切除して手術は終わりです。胆嚢がなくなると胆汁の貯留はできませんが、肝臓で生成した胆汁は十二指腸へ直接流入できるため健康に過ごすことができます。
しかし今回は総胆管に石が詰まっているため、この石をどうにかしなければなりません。
こういった場合、胆嚢を切除したのち、十二指腸乳頭から水を流し込み(逆行性フラッシュ)、胆嚢切除側から石を排出させる方法が一般的でした。しかしこの場合石が肝管の方へ流れ込んでしまい、肝管閉塞をしてしまうリスクがあります。
そこで胆嚢切除側から十二指腸側へ水を流し込み(順行性フラッシュ)、胆石を十二指腸内へ排出させる計画を立てました。
しかし十二指腸乳頭は非常に小さい穴であるため、順行性フラッシュの前に十二指腸乳頭切開を行い、乳頭(穴)を拡張する必要があります。加えて切開した乳頭が術後腫れて閉塞しない様に人工の管(ステント)を設置し閉塞を予防する必要もあります。
ではここからは実際の写真になります。
こいつが胆嚢!タコの頭見たいですよね。実際には肝臓に包まれているため、出血に気をつけて肝臓から剥がしていきます。今回は胆嚢切除までは割愛で。
十二指腸を切開し、十二指腸乳頭を観察すると、結石がこんにちはしていました。
黒いのが胆石です。やはり乳頭につっかえていますね。
ここから慎重に乳頭切開を行い、穴を拡張します。
その後その後胆嚢切除側から順行性フラッシュを行うと勢いよく胆石が乳頭から数個飛び出してきました。
胆嚢内と総胆管内にあった石です。無数にありますね。
次は切開した乳頭にステントを設置します。
乳頭から総胆管にステントを挿入したところです。これを十二指腸の内側に縫い付けます。
最後に十二指腸を縫合して終了
胆嚢切除後の断端も縫合します。
胆石から胆嚢炎を併発し、その炎症が肝臓まで波及していたため、肝臓は腫れて色調も良くありません。焼き肉のレバーと比較するとわかりやすいですね。
術後は2週間ほど入院し、無事に退院してくれました。ほっとです。
胆嚢切除だけでも死亡率30%と言われています。今回はそこに様々な術式を追加しかなり厳しいオペとなりましたが、本人とご家族の頑張りのおかげで一命を取り留めました。
もちろんこれだけの手術をするには術前のCTなどの精密検査は必須で、術中のスタッフのチームワークも高いものが要求されます。
みんなもよく頑張ってくれました。
これからもっと技術を蓄積しより良い獣医療を提供できるよう頑張ります!
それでは、今日はこの辺で。 taiyo@U-KYO-Animal Hospital
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO・OIKE・ARASHIYAMA
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師