難治性角膜潰瘍
7月21日(火)
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こんばんは、獣医師の國廣です。
1ヶ月ぶりのブログです。
気づけば夏真っ盛り。BBQや花火大会など夏を満喫するイベントを楽しみたいところですが、
まだまだコロナのご時世。。
大きな集まりは今年は難しそうですね。
しっかり体調管理を徹底して、普段の診察に励みます!
今日は以前にも紹介したことがある眼の病気。
他院様で角膜潰瘍の治療をしていましたが、改善が認められなかったのでご紹介していただきました。
点眼治療で良化しても、すぐにその角膜はペロッとめくれるようになってしまい、傷の修復がうまくいきませんでした。
これを「角膜上皮びらん」と言います。
こうなっては点眼だけでは治療が難しいので、
綿棒でその上皮を剥がしていく”デブライトメント”が必要になってきます。
傷を治すために、あえて新しい傷をつくりその部分の修復力で治療を促していきます。
それでもなかなか治りが悪かったので、
最終手段の「角膜格子状切開術」を行いました。
名前の通り、角膜に針で格子状の傷を作り、デブライトメントよりもより多くの
修復箇所からどんどん角膜を再生させていく方法です。
以下、実際の写真を載せていきます。
まず鎮静をかけたときの写真がこちら。
結膜は浮腫を起こし、角膜の赤くなっている部分は肉芽といって
傷が再生する段階で形成されるものです。
まずは先程述べた”デブライトメント”をできるだけ行い、角膜上皮を剥がしていきます。
そして、針で格子状の傷を作っていきます。
この手技は、深く傷つけてしまうと穿孔を起こしてしまうので
極めて慎重に行う必要があります。
しっかりと上皮びらんを起こしている部分に格子状の傷を作ったあとは、
コンタクトレンズを装着します。
動物用のコンタクトレンズといってもほとんど人間のものと類似しています。
角膜の保護にはとても重要なものとなります。
装着後の写真は・・・
このように、コンタクトレンズには青い印がついています。
これでちゃんとついているかを一目で確認することができます。
人と違いコンタクトレンズが取れました!とは言ってくれませんからね。
術後はエリザベスカラーを装着し、抗生剤点眼を行いながら
安静にします。完治までには最低でも1ヶ月ほどかかるので
術後管理も重要になってきます。
眼科手術は思った以上に繊細で、手技の熟練を必要とします。
今後も眼科診療に積極的に取り組んでいこうと思います。
それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪
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JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
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