大型犬の腹腔鏡下避妊手術
12月11日(日)
・゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
院長:11(日)、18日(日)
百石:12月23日(金)
廣畑:12月26日(月)
学会・勉強会参加のため、上記の通り獣医師不在の日がございます。
診療は通常通りおこなっておりますので、どうぞご了承ください。
本日もお休みをいただきましてありがとうございました。
今日もとても寒い一日となりましたね。
私は朝一番より大阪での心臓外科手術でした。
無事に手術も終わって、ホッとしながら京都に帰ってきました。
度々の休みで申し訳ありませんが、未来の獣医療のためとご理解ください。
さて今日は腹腔鏡のお話です。
以前から腹腔鏡の話はお伝えさせていただいていますが、
本当に最近は問い合わせも多く、遠方からの患者さんも多数いらっしゃいます。
7割くらいの患者さんが、腹腔鏡での避妊手術を希望されているように感じます。
それだけ動物に負担の少ない治療を求められている方が多いのでしょう。
今回は大型犬の腹腔鏡の避妊手術です。
ホワイトシェパードの女の子、体重は30キロ近く、手術台からはみ出そうな勢いです。
実は獣医師が一番緊張する手術は避妊手術かもしれません。
健康な子に負担をかけないように手術するのはもちろんのこと、
何かあるなんてことは万一でもあってはいけない手術ですから。
その中でも大型犬の避妊手術というのは相当大変です。
卵巣やその血管がお腹の奥深くに存在し、視野を確保するだけでも大変です。
それを引っ張り出して、結んだり切ったり。
助手も汗をかきながら必死に術野を確保しなければなりません。
そのためどうしても傷口は大きくなります。
しかし今回は腹腔鏡での避妊手術のためそのようなデメリットが全て解消されました。
三箇所の小さな穴からカメラと鉗子をを挿入していきます。
お腹の奥深くの方でもカメラでくっきりと確認することができます。
画面上で卵巣の血管や周囲の脂肪組織を切除していきます。
出血の有無もより鮮明に把握できます。
そして一番下の穴から卵巣と子宮を取り出してきます。
(この際に卵巣の大きさによって、少し傷が大きくなります)
無事に卵巣と子宮が摘出された後は、お腹の三箇所の穴を縫合していきます。
一つが5mm〜10mmくらいの大きさの非常に小さな傷です。
これで最後に皮膚を縫合すれば、手術終了です。
従来の避妊手術と比べて圧倒的に傷口が小さく、安全に手術することができました。
手術時間も40分ほどです。
もちろん当日の日帰り手術で、元気に尻尾を振って帰って行ってくれました。
このように獣医師の中では一番嫌な?手術でもある大型犬の避妊手術でも
腹腔鏡であれば安全に負担なく行うことができます。
腹腔鏡での避妊手
術を実施している動物病院は全国的にも非常に少なく、
飼い主さんもその存在を知らないことが多いです。
近年でこそ都市部では導入されるようになってきましたが、京都ではまだまだのようです。
導入費用も技術も人員も高度なものを必要とされるため、なかなか広まらないのでしょう。
しかし当院では可能な限り動物に負担をかけたくないという思いから
昨年より私が他府県の医療センターや海外講師に教えを乞い、この手術を実施しています。
子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などは心配だけれども
避妊手術で負担をかけたくないと思われている方はご相談ください。
そして将来的に悪性乳がんで亡くなってしまうような子がいなくなれば・・・いいですね。
院長
それでは今日はこの辺で・・・・
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