肝臓切除
適応疾患
- 肝臓腫瘍
- 肝膿瘍
肝臓腫瘍は多くの場合外科切除で根治が期待できます。転移率も低く、外科手術の意義は非常に大きいものです。しかし切除には上腹部を大きく切開しなければならず、非常に大きな痛みを伴います。腹腔鏡手術では小さな皮膚切開から腫瘍を取り出す事が可能です。痛みも非常に少なく一泊で退院できます。
傷の大きさの比較
腹腔鏡による肝臓切除の手順
ステップ①
毛刈り消毒

滅菌を保つため、毛刈りと消毒を実施します。腹腔鏡手術であるためリスクは低いですが、徹底した感染防止対策を講じています。
ステップ②
トロッカー設置+気腹

トロッカーと呼ばれるトンネルを設置。CO2ガスを注入し、お腹をドーム状に膨らませ器具を挿入し手術を実施します。腹圧が上昇することで、止血効果も期待でき、より安全な手術が実施できます。
ステップ③
止血帯を大血管に設置

リスクを下げるため、肝臓の根本の血管に止血帯を設置。いざという時の出血に備えます。必要な際は止血帯を締めて直ちに止血が可能となります。
ステップ④
肝臓切除

腫瘍の周りの肝臓を超音波凝固装置で慎重に切除します。クラッシュ&クランプ-テクニックと呼ばれる繊細な技術が使用されます。
ステップ⑤
血管結紮

主要な門脈や肝静脈をエンドループと呼ばれる糸で二重に結紮します。確実な止血が可能となります。
ステップ⑥
皮膚縫合

二重に結紮した肝静脈などを超音波凝固装置で切断します。状況に応じてヘモクリップという止血器具も使用します。
ステップ⑦
回収袋で腫瘍回収

腫瘍細胞を播種させないよう回収袋で確実に体外へ取り出します。
ステップ⑧
洗浄

お腹の中を2Lの滅菌生理食塩水で洗浄します。
ステップ⑨
皮膚縫合

傷口をナイロン糸で縫合し、手術終了です。抜糸がいらない皮内縫合もお選びいただけますので、お声がけください。
ステップ⑩
翌日退院

痛みもほとんどなく、翌日元気に退院できます。みんな嬉しそうに帰っていく姿が可愛いです。

