門脈体循環シャント
適応疾患
- 門脈体循環シャント
致命的な先天性疾患である門脈体循環シャント。あってはならないシャント血管を結紮するには、大きくお腹を開ける必要があります。インターベンション手術では、針穴からシャント血管にカテーテルを挿入。血管内部に直接コイルを塞栓させる事ができます。肝内シャントなど開腹手術では高難易度、高リスクなケースでも、安全確実に塞栓が可能です。複数回に渡る手術が必要な場合でも、何度も開腹する事なく実施が可能となります。
傷の大きさの比較
シャント血管塞栓術の手順
ステップ①
毛刈り消毒

滅菌を保つため、毛刈りと消毒を実施します。腹腔鏡手術であるためリスクは低いですが、徹底した感染防止対策を講じています。
ステップ②
シース設置

シースと呼ばれる細いトンネルを血管に設置します。そこから血管内にカテーテルを挿入し、腫瘍血管まで進めていきます。
ステップ③
血管ルートの確認

Cアームと呼ばれる機械で血管ルートを確認します。地図の作成にあたる工程で、機械性能が高いほど細かで鮮明な地図を作る事ができます。
ステップ④
シャント血管の確認

奇形であるシャント血管を造影剤を使って確認。CT検査では描出できない細かなシャント血管が術中に見つかることもあります。
ステップ⑤
門脈圧測定

バルーンでシャント血管を仮遮断し手術適応か門脈圧をチェック。カテーテルを用いて血管内部から直接測定することで正確な門脈圧が測定できます。
ステップ⑥
コイル塞栓

様々なコイル形状からベストなサイズ、材質を選択しシャント血管に塞栓します。部分的に塞栓させるなど、細かな調節が可能です。
ステップ⑦
麻酔覚醒

動かないだけの軽麻酔なので覚醒もスムーズで安心。皮膚は縫合の必要すらありません。
ステップ⑧
3日後退院

術後は神経症状が一過性に発生する場合があるため、念の為3日間入院管理。3日後尻尾を振って帰っていくうしろ姿が可愛いです。

