胆嚢摘出
適応疾患
- 胆嚢粘液嚢腫
- 胆石
- 胆嚢炎
開腹手術での胆嚢摘出術は非常に大きな痛みを伴います。また胆嚢を大きな手で持ち上げ操作することで組織への負担も大きく、術後状態が一時的に悪化することも。腹腔鏡手術では痛みが少ないことはもちろん、大画面を通して繊細な手技が実現できます。これにより組織損傷が減り、術後経過も良好となります。
傷の大きさの比較
腹腔鏡による胆嚢摘出の手順
ステップ①
毛刈り消毒

滅菌を保つため、毛刈りと消毒を実施します。腹腔鏡手術であるためリスクは低いですが、徹底した感染防止対策を講じています。
ステップ②
トロッカー設置+気腹

トロッカーと呼ばれるトンネルを設置。CO2ガスを注入し、お腹をドーム状に膨らませ器具を挿入し手術を実施します。腹圧が上昇することで、止血効果も期待でき、より安全な手術が実施できます。
ステップ③
マリオネット

胆嚢や肝臓に糸をかけ、組織にテンションをかけながら操作をしやすい環境を整えます。マリオネット法と呼ばれるテクニックです。
ステップ④
胆嚢剥離

鮮明に剥離層が確認できます。腹腔鏡手術のメリットは痛みが少ないことにフォーカスが当りがちですが、正確な手術を実施するために必要な明瞭な視野の確保も非常に大きなメリットです。
ステップ⑤
総胆管造影

胆嚢の根本で仮結紮をし、胆嚢管にカテーテル(細い管)を挿入し、疎通確認をします。
ステップ⑥
回収袋で胆嚢回収

回収袋で胆嚢を確実に体外に引き出します。
ステップ⑦
洗浄

お腹の中を2Lの滅菌生理食塩水で洗浄します。
ステップ⑦
皮膚縫合

傷口をナイロン糸で縫合し、手術終了です。抜糸がいらない皮内縫合もお選びいただけますので、お声がけください。
ステップ⑦
当日~翌日退院

痛みもほとんどなく、当日~翌日元気に退院できます。みんな尻尾を振って帰っていくうしろ姿が可愛いです。
