口腔腫瘍
適応疾患
- メラノーマ
- 扁平上皮癌
- その他のがん
動物の口の中には極悪の悪性腫瘍が発生します。犬ではメラノーマ、猫では扁平上皮癌がよく発生し、根治治療としては下顎切除を主体とした、広範囲の外科切除が必要になります。顎、鼻先、舌を失うことが前提となる非常に大きい侵襲を伴う手術ですが、そこまでしても再発や転移をしてしまう場合が非常に多いのが現状です。電気化学療法では根治は望めませんが、顎や鼻などの顔面組織を温存したまま、余生を穏やかに過ごすことができます。日帰りで実施でき、効果は1週間で大きく見られる場合も少なくありません。複数回の実施も可能で、可愛いお顔をそのままに、治療を継続することができます。
傷の大きさの比較
電気化学療法の手順
ステップ①
消毒

針を腫瘍に差し込むため、消毒をし実施します。不動化のために軽麻酔をかけていきます。
ステップ②
抗がん剤注入1

癌に直接抗がん剤を注入します。シスプラチンという抗がん剤ですが、投与量が少なく、全身性の副作用はありません。
ステップ③
抗がん剤注入2

抗がん剤を副作用が起こらない程度の少量、静脈内に注入します。本来であれば殺腫瘍効果がない程度の微量になります。
ステップ④
時間計測

抗がん剤注入から通電までの間隔は8分に設定しています。
ステップ⑤
電気化学療法機で通電

8分後、通電を開始します。通電機の先端は剣山型やプレート型など様々な種類を用意しています。腫瘍細胞周囲の正常組織まで含めて満遍なく通電します。
ステップ⑥
痛み止めを貼る

術後は患部がズキズキ痛むので、麻薬の痛み止めを皮膚に貼り付けます。投薬なしで効果が数日間持続します。
ステップ⑦
当日退院

軽麻酔で完了できるため、当日元気に退院できます。その後時間をかけて腫瘍が退縮して行きます。
ステップ⑧
1週間後

1週間後嘘のように綺麗に癌が消失しました。元気にご飯も食べられるようになり、穏やかに過ごしています。

