副腎摘出
適応疾患
- 副腎腫瘍
お腹の中でも背骨のすぐそばに存在する副腎。お腹を開ける開腹手術の場合、トッップクラスに負担の大きい手術になります。またお腹の深い位置に存在するため、視野が非常に悪く難易度の高い手術となります。腹腔鏡では小さな傷で手術が受けられ、大画面で細かな血管まで見逃しません。安心の術式です。
傷の大きさの比較
腹腔鏡による副腎摘出の手順
ステップ①
毛刈り消毒

滅菌を保つため、毛刈りと消毒を実施します。腹腔鏡手術であるためリスクは低いですが、徹底した感染防止対策を講じています。
ステップ②
トロッカー設置+気腹

トロッカーと呼ばれるトンネルを設置。CO2ガスを注入し、お腹をドーム状に膨らませ器具を挿入し手術を実施します。腹圧が上昇することで、止血効果も期待でき、より安全な手術が実施できます。
ステップ③
視野の確保

手術の場作りになる工程です。状況によって腎臓が手術の障害になるため、一時的に糸で釣り上げ、脱転させるなどします。
ステップ④
腫瘍の剥離

副腎の側には後大静脈、大動脈が走行しているため、傷つけないよう慎重に剥離を進めます。
ステップ⑤
主要血管の切断

太い血管を最後に結紮し、血管クリップなどを使用し出血なく副腎を離断します。
ステップ⑥
回収袋で腫瘍回収

腫瘍細胞を播種させないよう回収袋で確実に体外に引き出します。
ステップ⑦
洗浄

お腹の中を2Lの滅菌生理食塩水で洗浄します。
ステップ⑧
皮膚 縫合

傷口をナイロン糸で縫合し、手術終了です。抜糸がいらない皮内縫合もお選びいただけますので、お声がけください。
ステップ⑨
翌日退院

痛みもほとんどなく、翌日元気に退院できます。みんな尻尾を振って帰っていくうしろ姿が可愛いです。

